放射線科トモセラピー

当センターでは平成29年4月に稼働しました放射線治療装置(アメリカ アキュレイ社 Tomotherapy)の特徴をご紹介致します。IMRT(強度変調放射線治療)を主とした高精度放射線治療装置であり、ピンポイントでがんを狙い、正常組織へのダメージは最小限にする、体に優しい装置です。
また、従来の放射線治療装置と比較すると複雑なIMRTの放射線治療が可能である装置です。既存の装置では困難であった頭部・頸部・腹部などの治療が可能になります。全国で約100施設導入・播磨地区では初導入になります。

強度変調放射線治療 IMRT (Intensity modulated radiotherapy)

最新技術を用いて、照射範囲をがんの形に合わせて治療することができる治療方法です.IMRTにより、3次元的な放射線照射が行え、健康臓器への障害を最小限に抑え、がんに最大限な線量を照射する事ができる、体にやさしく理想的な放射線治療です.また、装置のCTを使用し、数ミリの体のズレを補正する画像誘導放射線治療(IGRT)も併用しています。 IMRTの施設基準を取得しています。

特長1:副作用を軽減します
高精度コンピュータで治療計画を行い、多方向から異なる線量をがんの形に沿って照射するため、 がんの制御率を向上させ、副作用を極力軽減することができます。

特長2:正確にがんを照射します
放射線治療装置とCTが一体になっており、治療の度にCTでがんの位置確認、数mmの位置補正を実施できるため照射部位にずれが少なく、正確にがんへ照射することができます。

特長3:複数のがんを同時に治療できます
広い範囲で治療ができるため、比較的大きながんや、複数のがんを一度に治療することもできます。 原理的には全身の治療もできます。

特長4:短期間の治療もできます
小さながんに高線量を集中させて短期間に治癒をめざす、ピンポイント照射の「定位放射線治療」にも対応できます。

特長5:患者さんに優しい治療です
1日1回、20~30分前後の治療で副作用も少ないため、外来通院で治療でき、通常の日常生活を送ることができます。また、一部疾患を除いて保険も適用されています。これにより、手術前にトモセラピーでがんを小さくして手術を行ったり、化学療法でがんを縮小した後にトモセラピーで放射線治療を行ったりと、他の治療法と組み合わせた使い方もしやすくなりました。

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全てのがんに効果があるのでしょうか?

がんの種類や症状、場所にもよりますが、その多くに有効です。
特に前立腺がん、耳鼻科領域のがん(咽頭、喉頭)、脳腫瘍、骨転移などがあげられます。


治療中、痛みなどは感じますか?

治療中は痛みなどありません。治療時間が約20分ですのでからだへの負担も少ないです。


副作用はありますか?

治療する部位により様々です。頭痛、下痢、など生じる場合がありますが、従来の放射線治療と比べると少ないです。


費用はどれくらいかかるのでしょうか

照射部位・回数によって違います。しかしほとんどが保険適用になりますので、実費負担は1~3割です。


治療期間はどれくらいですか

がんの種類や症状、場所にもよりますが、30~40回です。

臨床例

色々な方向から放射線を腫瘍に当てるときに、ぞれぞれの方向からの放射線の量を変化(放射線の強さに強弱をつける)させます。 放射線の量を変化させることで、腫瘍の形が不整形で複雑な場合や腫瘍の近くに正常組織が隣接している場合でも、多くの放射線を腫瘍に当てることが可能です。

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