診療科のご案内化学療法

2006年に「がん対策基本法」が成立し、当院においてもがん患者さんが日常生活や社会生活を過ごしながら治療を継続できるよう、2006年8月に8床で外来化学療法室を開設しました。がん化学療法は、癌腫によってだけではなく、特定の分子・遺伝子の発現の有無、年齢、PS、出現する副作用などによって、がん患者さんがその人にとってのQuality of Lifeの維持、向上を目指し治療を選択できる個別化学治療へと変化しています。開設当初、1日9人の患者さんでしたが、通院治療を希望される患者さんが年々増加し、2012年4月にはベッド数を11床に増床しました。その後もがん薬物療法の進歩は目覚しく、支持療法の進歩だけではなく、次々とがんの発生・成長・転移などに関連する分子・遺伝子などが解明され、分子標的治療薬や免疫チェックポイント阻害薬などの新規薬剤が開発されています。

そして仕事を続けながら治療を受ける方や家事・育児をしながら治療を受ける方、75才以上のご高齢の方など、様々なライフスタイルをできる限り維持しながら治療を継続される患者さんが増え、2015年度、当院の年間外来化学療法件数は4,000件を超えました。
 治療件数の増加に伴い外来化学療法室ベッド数を20床に増床・移転し、2017年7月3日より新しい外来化学療法室がスタートしました。外来化学療法室は、患者さんにリラックスして治療を受けて頂けるよう、これまで実施してきた音楽療法を流し、アロマテラピーを設置しています。

 患者さんが外来で治療を継続して頂くためには、患者さん自身が副作用に留意し、自己のセルフケアができるよう支援することが大切です。外来化学療法室の看護師は がん薬物療法に関連する知識と技術を活かし、副作用の観察・評価を行い、患者さん個々のライフスタイルに合わせたケアをご家族と共に検討します。また、状況に応じて医師、薬剤師、地域医療連携室、臨床研究推進室、栄養管理室、各がん関連分野の認定看護師・専門看護師と連携し、外来での通院を支援しています。