放射線科PET検査(PET/CT)
PET/CTとは
PETとは、Positron Emission Tomography(陽電子放出断層撮影)の略です。 従来のCTやMRIなどの体の構造をみる検査とは異なり、細胞の活動状況を画像でみることができ、癌の全身検索、転移、再発の診断に有効です。
どんな検査?
陽電子(ポジトロン)を放出する放射性薬剤を静脈注射して、細胞の活動状態を画像化する検査です。同時に、画像の重ね合わせや、ポジトロン画像の補正の目的で、X線CT撮影(コンピューター断層撮影)も行います。
当センターでは、がん治療における最先端の医療を提供するために高性能PET-CT装置(シーメンス社製True Point Biograph16)をH24年7月に導入し、PET-CT検査を実施しています。
使用するお薬、原理;なにがわかるのか?
18F-FDG(フルオロデオキシグルコース)と呼ばれる、ブドウ糖に似た放射性薬剤を使います。これは、ブドウ糖の取り込みの活発な細胞・臓器に取り込まれます。もしブドウ糖の取り込みが活発な腫瘍があれば、それにも取り込まれます。 これを体外から検出して、腫瘍の検出や、臓器の診断を行います。
検査の被ばくは?
1回のPET-CT検査で、放射性薬剤とCTをあわせて、約4mSv(ミリシーベルト)で、胃のバリウム検査とほぼ同等の被ばくがあると言われています。むやみに続けて何度も行うようなことをしなければ、医学的に問題となる可能性はきわめて低いと考えられ、被ばくによる不利益よりは、検査によって得られる情報の有益性の方がはるかに高いといえます。
検査前の準備は?
血糖値が高いと、18F-FDGは細胞や腫瘍に取り込まれません。そのため、通常は検査前の最低4時間以上の絶食が必要です。糖分を含まない水分は飲んでも構わないですが、ガムや飴、ジュースなども含め、食事はとらないでください。
糖尿病などで絶食が難しい方は、主治医にご相談ください。
糖尿病の治療薬剤は服用不可です:インスリン、内服薬は服用しないでください。その他のお薬は普段どおり服用可能です。
検査前の運動は検査結果に影響しますので、お控えください。徒歩や自転車で来院される方は、30分ぐらい安静にしてから検査しますので、早めにおいで下さい。
お薬の副作用
18F-FDGはブドウ糖に似た物質であり、ブドウ糖で副作用がある人がほとんどいないように、このお薬による副作用の可能性は極めて低いと考えられます。検査は万全の態勢のもとで行われ、万が一副作用が発生しても、担当医や主治医などが速やかかつ適切に対処いたします。
ご了解いただきたい点
全額で約9万円前後(うち、お薬の価格が税抜き46,000円)です。保険適用の場合、通常はそのうちの3割、3万円前後が自己負担額となります。
検査前の絶食をお忘れになった場合や、血糖コントロールが不良で検査時の血糖値が高すぎる場合は、検査中止となることがあります。
検査終了の当日は、妊婦や乳幼児との接触は、できるだけお避けください。授乳中の方は、検査終了の当日は授乳をしないでください。いずれも検査の翌日は普段通りでも差し支えありません。
他にも何か疑問な点がございましたら、主治医(検査の目的、理由、概要、注意事項など)や、放射線科担当医、看護師、放射線技師(検査の概要、注意事項など)におたずねください。
PET検査の流れ
当センターにおけるPET-CT検査の流れを説明します。
PET/CT画像
当センターのPET/CT検査には、PET装置とCT装置の特徴を融合させたPET-CT装置を用いて診断を行います。PET装置では細胞(がん)の活動状況の検出を得意とし、CT装置では臓器の形を映し出すことを得意とします。その二つの画像を融合させることにより、より正確な診断を行うことが可能です。
脳や腎臓、膀胱にFDGの集積が見られるが、生理的集積である。