放射線科血管撮影(IVR)
当科の特徴
当科には多目的用バイプレーンの装置があります。主として通常の血管撮影とIVR(血管内治療:X線透視のもとでカテーテルなどの細い医療器具を入れて病気の治療をおこなう)を行います。写真の装置は、フィリップス社のAlluraシリーズで2管球搭載、2方向同時撮影が可能なバイプレーン血管連続撮影装置です。診断および治療精度をより高める機能として、回転してDSA撮影を行うことによる3次元での血管描出が可能な他、CT撮影を行うことが出来るようになり、より精度の高いIVR治療を施行することが可能となりました。また2方向同時撮影により、造影剤使用量を抑え、造影剤による副作用のリスク軽減と検査時間の短縮することも可能となりました。またフラットパネル検出器により経年変化による画質の劣化も抑えることができます。
当センターは、心臓、頭頸部、腹部・四肢の血管撮影と血管内治療(IVR)をおこなっています。
心臓
冠動脈撮影、冠動脈狭窄病変に対するカテーテルによる治療(PCI)、ペースメーカ移植術、アブレーション治療などがあります。
まずは、正常な冠動脈を示します。
次は、狭窄が存在する場合の治療前後の写真です。右冠動脈が狭窄しています。同部位をステントとバルーンで広げることにより狭窄部位が開通しました。
腹部
当センターの腹部領域では肝動脈化学塞栓術が主で、他に交通外傷による血管外漏出時に行う骨盤部動脈塞栓術(止血術)、などを行っています。
上の写真は正常な腹腔動脈造影の画像です。 以下に代表的な治療である肝動脈化学塞栓術について示します。
TACEとは、抗がん剤と固形塞栓物質を用いて行う化学塞栓療法です。
左の写真の矢印部位に腫瘍による造影剤の濃染がみられ、同部位にTACEを施行します。
右の写真はカテーテル装置で撮影可能なコーンビームCTの画像です。
通常のCTと比較すると画質はかなり劣りますが、注入された抗がん剤と固形塞栓物質が 目的とした肝臓の領域に充満されたかの確認かできます。(赤矢印)
赤矢印の高信号(白く)で表示されるのは抗がん剤に造影剤を混入させているため CT画像で確認できます。