診療科のご案内形成外科

はじめに

形成外科は顔面や皮膚表面など「見える部位」を扱う診療科です。姫路医療センター形成外科は平成16年9月に開設しました。手術件数は年々増加しており、形成外科に対するニーズの高まりを実感しております。
安心していただける医療を地域の皆様に提供させていただきたいと考えております。

当科の特色

64列マルチスライスCT、1.5テスラMRI、超音波診断装置、レーザー機器(アレキサンドライトレーザー、Vビーム、クーリング付き色素レーザー)など最新の医療設備が整っています。
特殊外来として、「血管腫・静脈瘤外来」を開設しました。
形成外科では同一の疾患に対して複数の治療方法がある場合が多いことから、当科ではこれらを全て提示し、それぞれの患者さんにとって最善の治療法を提供するよう心がけております。

スタッフ紹介

役 職 氏 名 卒業年度 専門資格/所属学会等
医 長 石田 泰久 平成17年 日本形成外科学会専門医
皮膚腫瘍外科分野指導医
日本創傷外科学会専門医
専攻医 川﨑 唯 平成31年

当科での治療内容

外傷(キズ)、瘢痕(キズあと)

  • 熱傷(やけど)
    広範囲のやけどは、救急医と緊密に連携して治療にあたっています。
  • 顔面外傷
    皮膚の「キズ」だけでなく鼻骨、頬骨や眼窩などの顔面骨骨折まで治療します。
    特に顔面骨骨折は新鮮例だけでなく、変形治癒した陳旧例も治療しております。
  • 手足の外傷(切断指)
     マイクロサージャリーによる再接着も行っております。

生まれつきの変形

  • 小耳症・埋没耳などの耳介変形、耳たぶの変形、耳(前)瘻孔
  • 臍ヘルニア(でべそ)
  • 合指(趾)症、多指(趾)症など手足の変形

皮膚腫瘍(できもの)、母斑・血管腫

  • 母斑
    いわゆる「あざ」といわれる疾患です。太田母斑や異所性蒙古斑などに対してはレーザー治療が可能です(保険適応)。
  • 血管腫・血管奇形
    血管腫は・血管奇形は、血管が原因となる「できもの」や「あざ」の総称で、血流の早さや構成成分でさらに細かく分類されます。当科では、手術だけではなく病態に応じた最適の治療法を選択しております。
    当院採用の「赤あざ」「苺状血管腫」に対するレーザーシステムは、冷却装置つきですので、痛みが従来型に比べ弱いなどの特長があります(保険適応)。
    血液の貯留するタイプの血管腫(海綿状血管腫など)はエコーやMRIなどで病変を評価した後、薬を注入する「硬化療法」という方法でメスを使わずに治療を行っております。

再建外科

がんの手術などで、変形や機能障害が残った方が対象となります。特に、頭頸部(口やのど)の腫瘍や乳がん術後の方には顕微鏡を用いたマイクロサージャリーなどによって組織を移植し、「乳房再建」を行っております。
点滴などの治療で治らなかった顔面神経麻痺の方には、筋肉を血管神経とともにマイクロサージャリーによって移植し、自然な「笑い」の再建を行っております。

難治性潰瘍

糖尿病、動脈硬化、放射線照射後など原因は様々ですが治りにくい傷のことです。静脈瘤のひどくなった状態や「とこずれ(じょく瘡)」なども含まれます。
閉塞性動脈硬化症(重症虚血肢)に関しては、循環器科と連携して治療を行っております。また治癒後は、フットケア外来にて再発防止のための靴の調整も行っています。

その他

  • 下肢静脈瘤
  • 眼瞼変成疾患(眼瞼下垂症・睫毛(眼瞼)内反症・眼瞼外反症)

*治療対象疾患につきましては、日本形成外科学会のホームページをご覧下さい。

*小範囲の手術であれば、局所麻酔での日帰り手術が可能です。手術は予約制にて行いますので、ご希望の方は担当医にご相談下さい。

*原則として予約患者様を優先して診察させていただきます。ご理解・ご協力のほどよろしくお願いします。

手術実績

  • 入院手術 360件
  • 外来手術 584件

時間外救急対応につきまして

緊急を要する外傷なども救急医と連携をとり、可能な限り対応しております。
顔面など目立つ部位のキズは形成外科での治療をお勧めしますが、手術中などで対応できない場合もありますので、受診前に必ずご連絡下さい。