放射線科RI検査(SPECT:スペクト検査)

RI検査とは

RIとは、Radio Isotope(ラジオアイソトープ)の略語で、核医学検査、アイソトープ検査とも呼ばれています。微量の放射線が含まれた薬剤を注射し、その薬剤が集積した部位から出される微弱な放射線を検知し、画像化するという検査です。SPECT(スペクト)検査とは、その検査のなかで、撮影するカメラが体の周りを回って、最終的に体の断面図を観察する検査のことを指します。RI検査ではCTやMRIのように解剖学的な、あるいは形態的な画像とは異なり、人体臓器の生理学的な機能情報を画像から判定できます。検査法によっては定量(数値)的な判定も可能ですので、病態および病期の診断、治療の効果判定、予後の推定など多くの領域で利用されています。 CTやMRIと比べると近年少なくなっている検査ですが、古くから安全性の確立した検査法であり、検査で用いられる医薬品に含まれる放射線は人体に害を及ぼす量ではなく、薬理作用(副作用)もほぼないと言ってよいほどです。

当センターでは一般的なRI検査は全て行っています。以下に代表的な検査について紹介します。

骨シンチグラフィ(略して、「こつシンチ」と呼ばれています。)

骨シンチは核医学検査の中でも最も頻繁に行なわれている検査の一つです。 午前中に薬剤を注射し、午後からその薬が骨に集まっている様子を撮影します。注射してから撮影までの間隔を4時間ほど開けることで、良好な画像が得られます。撮影の時間は約30分です。

骨シンチの特長

  1. 骨代謝の変化を反映する機能的な画像診断
  2. 全身検索が簡単(右の図)
  3. 治療後の効果判定や経過観察に有効
【対象となる主な疾患、評価項目】
  1. 骨転移の存在評価
  2. 疲労骨折や潜在性の骨外傷の検出
  3. X線検査ではっきりしない病変の存在診断
  4. 原因不明の骨痛や関節痛の評価
  5. 関節炎、関節症の評価
  6. 原発性骨腫瘍の評価
  7. 骨頭の無菌性壊死の早期診断、予後判定
  8. 人工関節置換術後の感染やゆるみの検索
  9. 代謝性骨疾患や腫瘍類似疾患の評価
  10. 骨髄炎と蜂巣織炎の鑑別診断
  11. 骨移植後の血流、生存性の評価
  12. 横紋筋融解症の評価

脳血流シンチグラフィ

脳血流シンチでは、CTやMRIのような脳の形態を観察する検査とは異なり、脳全体の血流が保たれているかどうかを観察することができるため、脳血管障害など様々な脳の疾患に適用されています。 検査では、薬剤を注射すると同時に撮影を開始し、約30分間の撮影で終了です。

【対象となる主な疾患、評価項目】

脳血管障害、認知症、てんかん、変性疾患、脳炎、脳腫瘍など適応は多いですが、特に有用と言われているのは

  1. 脳梗塞や脳動脈狭窄症における局所脳血流異常の検出
  2. 認知症における局所脳血流異常の検出
  3. てんかん焦点の推定
  4. 等です。

近年、社会問題となっている認知症の診断にも使用されるようになり、今後の有効な利用が期待されます。

【主な認知症の種類】
  1. アルツハイマー型認知症
  2. レビー小体型認知症
  3. 血管性認知症
  4. 前頭側頭認知症

※)現在、当センターでは、認知症の診療は行っておらず、他院からの紹介患者に限定して検査のみ行っております。

心筋血流シンチグラフィ

(この検査は循環器科受診をお願いします)

心筋血流シンチでは、心筋(心臓を動かしている筋肉)を栄養する血流の保持を観察するほか、心筋の収縮能(ポンプとしての機能)等の心臓の機能評価を行うことができます。とりわけ心筋虚血の診断には最適かつ不可欠な検査でもあります。  検査は、安静な状態で行う検査(安静心筋シンチ)と、心臓に負荷をかけて行う検査(負荷心筋シンチ)があります。負荷心筋シンチのなかにも心臓に負荷をかける方法が異なる検査があり、運動(トレッドミル)によって行う方法を運動負荷心筋シンチ、薬剤(アデホス等)によって行う方法を薬剤負荷心筋シンチと言います。負荷心筋シンチを行う場合は、同じ日に安静心筋シンチも行い画像の比較を行います。また、それぞれの検査は、注射をして約1時間後に撮影を行い、撮影時間は約30分となります。

【対象となる主な疾患、評価項目】
  1. 負荷で誘発される虚血の診断
  2. 狭窄部位での血流予備能の評価
  3. 梗塞後の心筋のバイアビリティの評価
  4. 治療効果の判定
  5. 血行再建後の再狭窄の検出
  6. 虚血性心疾患の重症度判定や予後判定

ガリウムシンチグラフィ(腫瘍・炎症の検査)

(この検査は循環器科受診をお願いします)

腫瘍あるいは炎症の領域における核医学検査は「性状の診断」が特長です。腫瘍の種類、診断の目的を考慮してどの薬剤で検査を行うかの判断が重要になります。当センターでは主に「クエン酸ガリウム」を用いて検査を行っています。
この検査では、薬剤が腫瘍や炎症に集積するまで時間がかかりますので、注射を行ってから2日~3日後に撮影を行います。また、薬剤が糞便に集積するため、検査の前日には下剤を服用し、排便を促してから検査を行うことで、良好な画像が得られます。
検査時間は、全身撮影で約15分ですが、画像が不鮮明で判定が困難な場合や、集積の位置情報を把握するために、断面像撮影(約15分)を追加撮影する場合があります。  検査は、安静な状態で行う検査(安静心筋シンチ)と、心臓に負荷をかけて行う検査(負荷心筋シンチ)があります。負荷心筋シンチのなかにも心臓に負荷をかける方法が異なる検査があり、運動(トレッドミル)によって行う方法を運動負荷心筋シンチ、薬剤(アデホス等)によって行う方法を薬剤負荷心筋シンチと言います。負荷心筋シンチを行う場合は、同じ日に安静心筋シンチも行い画像の比較を行います。また、それぞれの検査は、注射をして約1時間後に撮影を行い、撮影時間は約30分となります。

【対象となる主な疾患、評価項目】
  1. 悪性リンパ腫の病期診断、治療効果判定、経過観察
  2. 頚部腫瘍の進展範囲診断、治療効果判定
  3. 甲状腺未分化癌、分化癌未分化転化の診断
  4. 悪性黒色腫、睾丸腫瘍、肺癌の転移診断
  5. 間質性肺炎の診断、活動性の評価
  6. サルコイドーシスの診断、活動性の評価
  7. 骨髄炎、膿瘍などの感染症の評価
  8. 不明熱

レノグラフィ(腎臓の検査)

(この検査は循環器科受診をお願いします)

泌尿器領域の検査も機能的な情報を得ることに重点が置かれています。主に腎機能の評価を目的にした検査として 「レノグラフィ」と呼ばれる検査を行っています。
検査は、薬剤を注射すると同時に撮影を開始し、約30分間の撮影で終了です。利尿を促すために、検査の20~30分前に約250mlの水を飲んでいただき、排尿してから検査を始めます。場合によっては、利尿剤を使用して負荷検査を行うこともあります。

レノグラフィの特長

  1. 生理的な状態における腎機能評価
  2. 刺激された状態での腎機能や腎予備能の評価
  3. 血流相、実質相、排泄相の3つの時相で詳細な腎動態が観察され、糸球体ろ過機能(糸球体濾過量=GFR)等多くの腎機能情報が得られます。
【対象となる主な疾患、評価項目】
  1. 腎機能障害の評価
  2. 閉塞性尿路疾患の評価
  3. 腎血管性高血圧症の検出
  4. 腎移植後の急性尿細管壊死と拒絶反応の鑑別
  5. 腎梗塞の検出

甲状腺シンチグラフィ

(この検査は循環器科受診をお願いします)

甲状腺疾患の診断では超音波検査が主流ですが、機能異常の鑑別診断ではRI検査は必須となります。当センターでは「テクネシウム」を用いて撮影を行い、甲状腺摂取率を測定しています。 検査では、注射後、薬剤が甲状腺に集積するまでの時間(30分)を待機していただいてから、その後、10分間の撮影を行います。

【対象となる主な疾患、評価項目】
  1. 異所性甲状腺腫や甲状腺形成不全の診断
  2. 甲状腺結節の機能評価
  3. 甲状腺機能異常の鑑別診断
  4. 甲状腺重量の推計:画像から算出