泌尿器科膀胱がん

 当院は膀胱がん患者が多いのが特徴です。肉眼的血尿で発見される場合がほとんどです。特に喫煙との関係が指摘されています。診断は膀胱鏡検査により可能です。当院では電子ファイバースコープを使用しますので、尿道の表面麻酔のみで、疼痛が非常に軽度で、鮮明な画像が得られます。治療は原則全例に経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURisBt)を行います。多くの場合は非浸潤性膀胱がんで、膀胱温存が可能ですが、膀胱内再発が多いのがこの疾患の特徴で、再発予防として抗癌剤もしくはBCG膀胱内注入療法も積極的に行います。
組織検査の結果浸潤癌と診断された場合、原則として膀胱全摘除術をおすすめします。膀胱全摘後には尿路を再建する尿路変更術が必要ですが、尿管皮膚瘻、回腸導管、代用膀胱を患者様と時間をかけて相談の上選択させていただきます。
残念ながらすでに遠隔転移もしくはリンパ節転移ある症例ではシスプラチンを中心として化学療法を行い、長期生存を期待します。

TURisについて

従来の経尿道的手術が灌流液に非電解質を使用していたのに対して、本術式では還流液として電解質液である生理的食塩水を用いた経尿道的手術で、従来の非電解質を使用した経尿道的手術に比べ以下のメリットが有ります。

  1. 低ナトリウム血症の回避:体の組成に等しい生理食塩水を使用するために低ナトリウム血症は起こりません。
  2. 切れ味がいい:電極全周で放電するため安定した切れ味を実現します。
  3. 電極への組織付着防止:電極全周で放電することで切除片が電極に付着することを防ぎます。
  4. 対極板が不要でさらに還流液として安価な生理食塩水を使用するためにコスト削減につながります。

高周波焼灼電源装置

従来のTURは電極と組織が接触する点に電流を集中させて切除するのに対してTURisは灌流液に電解質液を使用するため、電解質液を介して電極全周に放電切除します。

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